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まっ★つんの避暇地

本とか映画とかマンガとかの感想を書いたり紹介したりするブログです

【漫画】 好きな1巻完結漫画達を本気で紹介してみた

漫画の紹介

みなさんこんにちは。

 
突然ですが(いつも言ってんな)、私は漫画を読むことが大好きです。当然あなたもそうだと思います。
 
受験生・浪人時代に時間をかけず手軽に面白い漫画を読みたいと思ったことをきっかけに、1巻完結の漫画を発掘して読むようになりました。
 
最近の漫画は長すぎます。悪いことだとは言いませんがクリエイターとして短く面白さを凝縮させるのも能力の1つだと思いますし、そんな漫画家がもっと評価されても良いと思うのです。さらに私の、長い漫画を読む体力や集中力が衰えてきたのもあります。
 
しかし1巻完結というとあなたは「面白くないから1冊で終わったんだろう」と思うでしょう。実はそれは某少年誌など一部の漫画雑誌に掲載されている作品に限って言えることなのです。
 
青年誌や季刊誌などでは、はじめから短期連載という契約で掲載される漫画作品はいくつもあります。
 
つまりそれは1話目が掲載される前から作品全体のプロットが決まっていて、掲載中の人気や評価の影響を受けない(影響が小さい)と言えます。
 
今日はそんな一流の創作者達がはじめからおわりまで綿密に構成した珠玉の1巻完結作品たちを紹介したいと思います。基本的にべた褒めです。
 
なお、今回は愛好度とオススメ度を決めてみました。気になった作品があればひとつの参考・指標にしていただければと思います。愛好度は主観100パーセントで自分がどれだけその作品を気に入ったか、オススメ度は可能な限り客観的に見て世間一般の目でどこまで面白いと思われそうかを表しています*1
 
 

黒博物館スプリンガルド

黒博物館 スプリンガルド (モーニング KC)

黒博物館 スプリンガルド (モーニング KC)

 

あらすじ

19世紀・ヴィクトリア朝初期のロンドンで、女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生。現場では、高笑いしながら跳び去る怪人の姿が目撃されていた。3年前、夜道で女性たちを驚かせたという「バネ足ジャック」が殺人鬼となって帰ってきたのか?事件を追うロンドン警視庁の警部は、意を決してある「貴族」の館へ馬車を飛ばす……。
Amazonより引用)

解説

言わずと知れた1巻漫画の金字塔。某巨大掲示板の1巻完結漫画紹介スレッドでは必ずと言っていいほどこの作品が挙がっています。
 
作品の面白さも確かなもので作者は『うしおととら』『からくりサーカス』などで有名な超実力者藤田和日郎氏。
 
本作の魅力はまず絵。さすが少年誌バトル漫画の人気作品を手掛けただけあって戦闘描写の迫力は物凄いものがあります。
 
そしてやはりその構成とストーリーテリング。少年誌で長期連載の人気作品をいくつも描く作者が、王道の作品をはじめから1巻にまとめるつもりで本気を出せばここまで面白い1冊が描けるのか、と見せつけてきます。
 
1巻完結漫画を勘ぐるあなたへのはじめの1作。
 
愛好度   ★★★(人生の友レベル)
オススメ度 ★★★(万人に勧められる傑作)
 

春風のスネグラチカ

春風のスネグラチカ (F COMICS)

春風のスネグラチカ (F COMICS)

 

あらすじ

車椅子の少女と物言わぬ従者。
互いの他に、信じるものなどない二人。

 

1933年、ソビエト連邦カレリア自治共和国。とある別荘(ダーチャ)の管理人であるイリヤ・エヴゲーニヴィチ・ブイコフは、車椅子の少女・ビエールカと物言わぬ従者・シシェノークに出会い、奇妙な賭を申し込まれる。なぜ彼らはこの地を訪れたのか、どこからやってきたのか。そして互いだけを頼りに生きる二人が背負う、密かな宿命とは――。

太田出版の商品紹介より引用、一部省略)

解説

無限の住人』などでお馴染み、知る人ぞ知る鬼才、沙村広明氏の作品。基本的に青年誌で活動しているためあまり知名度はありませんが、あの『NARUTO』の岸本斉史氏が影響を受けた*2という、画力の高い超実力派です。
 
本来沙村氏はエログロを前面に出したブラックな作品や小ネタを挟みに挟んだコメディが得意なのですが(この時点で十分幅が広い)、本作はあらすじの通りガッツリの歴史漫画です。しかし歴史漫画だからといって歴史の知識がなければ楽しめないということはありません。本作はご丁寧に巻末に登場人物の解説等がありますので知識がなくとも十分楽します。
 
さて、こちらの魅力もやはり絵。この劇画調の絵はかなり独特で、他に似た絵を描く人は中々いません。そしてこの絵がこのようなシリアスなストーリーに見事にマッチしています。
 
少々重いシーンもありますが、歴史モノ特有の史実と作者の独自解釈が繋がる瞬間のカタルシス、壮大な伏線が回収されたときの感動には目を見張るものがあります。まるで映画を見ているかのような緻密なストーリー構成。あらすじだけを見ると中々手が出にくいかもしれませんが、普段こういうジャンルを読まない人にこそ読んでほしいです。必ず満足していただけると思います。
 
あなたの漫画の世界をさらに広げるであろう1作。
 
愛好度   ★★★(人生の友レベル)
オススメ度 ★★(ジャンルで万人受けは厳しいが完成度は文句なし)
 

幻想ギネコクラシー

幻想ギネコクラシー 1

幻想ギネコクラシー 1

 

内容紹介

奇想天外空前絶後前代未聞な報われず救われないどうにもこうにもな物語が長短計12本。沙村広明史上サイコ─の眼つきが悪い美女満載これでもか!なコミックス。

白泉社商品紹介より引用)

解説

前項『春風のスネグラチカ』の作者がてがけた短編集。かなり短いものまで含めた計12本が掲載。
 
沙村氏の真骨頂が存分に現れています。マジ奇想天外。頭おかしい(ほめ言葉)。確かに斜に構えたようなサブカル臭さは否めませんが、読むとそんな批判も出なくなるくらい氏の才能に気圧されます。
 
前述した圧倒的な画力で描かれる超ドライで引くほどブラックなユーモア。そしてエロ。というかおっぱい。ただのエロコメとは断じて違います。あくまでもブラックユーモア。いわゆるシリアスな笑い。某古典文学をオマージュした作品もあったりと元ネタに気付くとなお面白い。
 
例えば作中8作目『惑星ソラリッサ』は、惑星とそこに住むひとりの少女の身体がリンクしているという話。どういうことかといえば、惑星で土を掘れば少女の肌は荒れ、草を刈れば少女のドコの毛がなくなる、と言った具合。ここで下ネタをきっちり入れ込んでくるあたりが沙村氏。こんなアホみたいな(ほめ言葉)話がたった6ページにしかもしっかりオチまでついて。
 
感心させられたり、笑わせられたり、怖くなったり……。たかだか数ページの中で面白さを表現する作者の発想と、たかだか数ページでそれを成立させられる作者の手腕は、まさに圧巻のひとこと
 
ただのコメディに飽きたあなたに数多の可能性を提示する1作。
 
愛好度   ★★★(人生の友レベル)
オススメ度 ★★(ひどい下ネタ満載なためやっぱり人は選ぶ)
 

アイリウム

アイリウム (モーニング KC)

アイリウム (モーニング KC)

 

あらすじ

錠飲めば1日分の記憶を飛ばすことができる薬、アイリウム。薬が効きはじめると、他人から見れば意識もあり普段通りの生活をしているように見えて、その間の記憶がまったくなくなってしまう。つまり、嫌な思いをする出来事の前に飲んでおけば、その事を思い出すことなく日常生活が送れるのだ。記憶を薬でコント ロールできるようになった時、その人の生はどんな彩りになるのか…。

Amazon内容紹介より引用)

 
解説
ひとことでいうと『世にも奇妙な物語』。未来の記憶を無くせる薬を飲む7人のエピソードがオムニバス形式で掲載されています。
 
こういう漫画は発想が勝負です。面白いのは未来の記憶というところ。記憶と言えば過去という固定観念がありますから、過去を変えて今を良くするというのが今までの発想。例えば過去の何気ない生活のひとこまなのに未だにたまに思い出して後悔する、なんてことはありませんか?
 
本作はそれを「知覚しなければいい」という方向に考えた。そしてその対象を過去の出来事ではなく、これから起こることに向けたのです。正に発想の勝利。
 
その使い方も単に「飲みすぎて後悔する」みたいな単純なものに留まらず多種多様で面白い。
 
テーマが奇抜なだけで内容や絵はかなり読みやすいものになっています。
 
「やばい『世にも奇妙な物語』見るの忘れた!!録画もしてない!」ときに読む1作。
 
愛好度   ★★(かなりの当たり)
オススメ度 ★★★(読みやすい上にエピソード自体は重くなくとっつきやすい)
 

The Mark of Watzel(ザマークオブワッツェル)

The Mark of Watzel (ヤングジャンプコミックス)

The Mark of Watzel (ヤングジャンプコミックス)

 

あらすじ

TVドラマ『怪傑ワッツェル』で人気を博した俳優ジェイソンも、今や詐欺まがいのしがないセールスマン。そんなジェイソンのもとに「病で寿命を宣告された 娘・エリンを騙してほしい」との依頼が。『怪傑ワッツェル』が大好きなエリンを前に、ジェイソンは再びヒーローになれるのか…。

Amazon内容紹介より引用)

解説

あらすじを少し補足します。騙してほしい、とは「サイモントン療法」という患者に病気に打ち勝つイメージを持たせることで、病気を治す実際にある心理療法のこと。つまり患者の少女の好きなドラマのキャラクターを俳優が再び演じて心理療法により少女を救おうとする物語。
 
読んでの通り王道も王道。その辺の映画やドラマでありそうな凡庸なストーリー。しかしどうしてこんなにも涙を誘うのでしょう。
 
おそらくは絵の効果が大きいのだと思います。どちらかというと古臭い、暖かみのある絵本のような絵。そして台詞でゴリ押さない上手い間の使い方。
 
さらには元俳優の主人公、サイモントン療法を提案・支持する医師、そんな療法を微塵も信じていないが藁にも縋る思いでなりふり構わない少女の父親、この3人の主要キャラクターの人間臭さ。
 
なにもかもがこの切ないストーリーを引き立てています。
 
ついに迎えるラスト。余韻で自分を見失い、あなたの頬を濡らすことを約束します。
 
それにしても、漫画の表現は奥深いと思い知らされました。特別画力が高いわけでも構成が上手いわけでもありません。突出した要素はないのに、それらが良いバランスで噛みあうだけでこんなにも化けるとは
 
奇をてらわない、ありふれたテーマでも面白さと感動を覚えられるということ教えてくれる一作。
 
愛好度   ★★
オススメ度 ★★★(絵柄がかわいらしいので重さは感じません)
 
 
いかがでしたでしょうか。今回はここまでで、また気が向いたら第2弾第3弾と紹介していきたいと思います。購入報告、感想いただけると凄くうれしいです(ぜひリンクからポチっとどうぞ)。それでは皆さん、良い1巻完結漫画読書LIFEを。

*1:ガバガバ評価です。

*2:少年ジャンプ+の対談より

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