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まっ★つんの避暇地

本とか映画とかマンガとかの感想を書いたり紹介したりするブログです

【本】 歴史を勉強する前に… 『歴史学ってなんだ?』小田中直樹著

本の紹介
皆さん、歴史に興味はありますか?歴史ブームだの歴女だの騒がれて久しいですが、受験に関係なく教養として歴史を勉強し直そうと1度は思ったことがある人も多いのでは無いでしょうか。
 
かくいう私も高校時代は世界史を受験に使用したため、日本人として日本史をちゃんと勉強し直さなければと思う日々です。
 
そのきっかけとして大河ドラマ真田丸」を楽しく見ているのですがその時代考証担当、丸島和洋氏がTwitterにて解説を展開しており、これもまた非常に面白いのです。
 
しかし丸島氏の発言を巡って先日こんな騒動がありました。
 
まあ内容への言及は「司馬氏云々もやけど悪魔の証明のくだりとかほんま読み手のリテラシー最悪やな」に尽きるのですが、本題はそちらではなく。
 
以下のような本が紹介されているのを見かけました。今回はこの本についての記事です。
歴史学ってなんだ? (PHP新書)

歴史学ってなんだ? (PHP新書)

 

 

本書は私たち歴史学という学問に携わらない人が「歴史学」と聞いて思い付く大きな疑問3つを歴史学者が考える内容になっています。その3つのテーマとは、
 
  1. 歴史上の事実である「史実」は明らかにできるのか。あるいはそれに関連して、歴史学の成果と歴史小説に違いはあるのか。
  2. 歴史を学ぶことは実際に何かの役に立つのか。そもそも役に立つとはどういうことなのか。さらに役に立つならばどのように役に立つのか。
  3. そもそも歴史学という学問は一体なんなのか。歴史家は普段何をしているのか。
 
以上です。
 
どうでしょう。1度は思ったことのある疑問では無いでしょうか。
 
以上のテーマに対して各章で単純に答えが示されるのではなく、筆者は我々に近い視点から徐々に深くアプローチしていき、ともに考える形式で進みます。
 

史実をどう扱うのかという話

 
1章を読んでいて興味深かった内容としては、歴史学の営みは「認識」と「解釈」のふたつの作業からなるということ。
 
「認識」とは端的に、史実を明らかにすること。これはわかりやすいですね。
 
対して「解釈」が重要だそうで、以下に引用します。
 
 
ただし、歴史家の仕事は、認識することだけにとどまりません。認識した史実に意味を与え、他の史実と関連させ、そのうえで、まとまったイメージである「歴史像」を描く作業が待っています。これを「解釈」と呼びますが、解釈されることによって、はじめて史実は意味をもちます。
(本文より)
 
 
なるほど、つまり我々がもつ歴史に関する知識は大半が歴史家によって解釈されたものと言えそうです。それは確かに史実に基づいてはいるが完全にイコールで結べるものではないと。
 
んで結局史実は明らかなるんか?って、その辺は読んでのお楽しみですよ。
 

意味とか考えだすと面白くなくなると思う

 
続いて2章。ってか歴史学に限らず、どんな学問に対しても「それ意味あるん?」「なんかの役に立つん?」って聞く風潮、みたいなのありますよね。
 
実際のところはともかく森博嗣ファンの私としては「意味とか無い、意味無いからおもろいんや、ゲームとか漫画と一緒じゃ」と格好つけるところですが。
 
本書では結構現実的なアプローチで役立ち方役立たせ方に迫っています。
 
とは言って科学技術のような実用はないですから、いかに物事を考える上で歴史学の考え方を根底におけるか、というところです。
 

文系の研究者全般に共通するのか気になる

 
最後ですがこれは歴史学者が歴史を研究する手順、といったところでしょうか。理系の人間の私にとっては文系の研究と言うと中々イメージが沸きませんので、新しい発見が多くありました。
 
いかに人をわくわくさせるような歴史像を創り上げるか、と言うとそれこそ学者ではなく作家かのようですが、正当な手順を踏めばそれは学者の営みなのです。
 
そんな学者の営みとその成果によって我々は歴史に関するコンテンツを楽しめていると。彼らに尊敬の念を禁じえません。
 

文献紹介書としての役割

 
そしてですね、もうひとつその内容以外に本書の有用性があります。それは歴史に触れるための本の紹介が為されているのです
 
本書はその形式ゆえ数々の本から引用されていますが、それらの本が著者がおすすめする歴史学の本で、巻末にまとめられています。
 
次はこれらを読んで歴史のさらなる勉強をしてみようと思います。
 
 
そんなこんなで、「歴史学」について興味を持ちその世界に踏み出すのに至れり尽くせりな一冊。
 
皆さんもこれを読んで、歴史学の世界に触れてみませんか。
 
砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

 

 

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