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まっ★つんの避暇地

本とか映画とかマンガとかの感想を書いたり紹介したりするブログです

【漫画】 打姫オバカミーコ

漫画の紹介

 漫画レビュー。今回は鬼のマイナー作品。というのも、今のご時世漫画や映画のレビューブログなんてはいて捨てるほどあります。そんな中で定番の作品の感想を書いたところでなにになるというのでしょう(自問自答)。確かに、目的としては自己満足なので、別にスーパーブロガーになろうとするわけでも無いし、好きなことを書けば良いと言われればそうです。しかしやはり書くからには多少なりとも独自性を出したいというのが人の性。ということで少しでもコンテンツの希少性を高めることを目指して少し珍しい漫画を紹介してみます。

 



打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス)


はい、打姫オバカミーコです。麻雀漫画。作者はその道では有名な片山まさゆき先生。全15巻。


あらすじ

顔で選ばれた女子プロ丘葉未唯子(おかばみいこ)が嫁に愛想を尽かされ1度はプロをやめた元風王位(作中の最大のタイトル戦)波溜晴(なみだめはる)とともに、二人三脚で業界の権力者かつ波溜のライバルでもある我鷹愁(がたかしゅう)の妨害に負けじとプロの頂点を目指す。



本作品の魅力

①初中級者にとってかなり価値のある戦術本になっている

②とっつきやすさと麻雀そのものの面白さ


①初中級者にとってかなり価値のある戦術本になっている

 基本的な作品のスタイルは素人同然のミーコに師匠の波溜が指南をし、ミーコが実践するという1話~数話完結の形式です。

そしてミーコは読者の分身で、波溜のミーコへの指導が戦術・セオリーの紹介になっているという構図です。

実際内容の方は「ルールと役は覚えたけれど、中々アガリに持っていけない(牌効率がわからない)、直撃を喰らいまくる(押し引きがわからない)」という人達にとってめちゃくちゃ価値のあるものに仕上がっています。


「先手良形高得点このうち2条件がそろったら押せ」
「後手悪形安手このうち2条件がそろったら引け」

押し引き


「麻雀に三色はない 一通もない! そんな役は忘れろ あるのはリーチ!」
チャンタという役はない! あるのはホンイツだ それともうひとつ あるのはクイタンだ」

(画像は面倒だったので略。)


 かなり極端と言えば極端ですが(笑)。あくまで作品序盤のみの内容です。後半はもっと真面目な麻雀打ちます。けどこれ、正直かなりバカにはできないアドバイスだと思います。面前でのタンヤオの出現率が約22%なのに対してチャンタとか1%ですからね。その1%を追う前に、22%の種を完璧に実にできるのか、というお話。

とは言っても、あくまで初心者に向けたアドバイスであって、麻雀はそんなに単純なゲームではありません。また、絶対的な戦術というものも無く、日々議論が繰り返されています。

それは本編中でも同様で、例えば、作中では波溜は昔の古い戦法や考え方(もろ引っかけはマナー違反、とか、好牌先打、とか。)を"オールドファッションセオリー"だと批判します。

しかし波溜の麻雀におけるタブー「オリ打ち」を若手の五條に「その考え方は古い、オリ打ちも長いスパンで見れば自分に得」と反論されます。

このように、作者の考えやスタイルを波溜というキャラを通して表現したり、あるいは他キャラを使って否定したり……。多種多様な考え方があることを理解し、自分のやり方を押し付けになりすぎないよう気を遣っているシーンも見受けられます。

しかしながら、結局のところ麻雀の勝敗を決める最重要なファクターは「運」であると自分は思っています。

運が他者より弱ければ勝てない。それは間違いない事実です。しかし、だからと言って勝つためには運という実態のわからない概念をコントロールしなければならないのでしょうか。当然ながら答えはノーです。戦術という自分でどうにかできる部分を極限までに高める、それが麻雀で"強くなる"方法だと思いますし、作者もそのようなメッセージを伝えたいのでしょう。


②とっつきやすさと麻雀そのものの面白さ


物語の終盤、ミーコも成長してくるとかなり細かいところまで考えた麻雀漫画らしい勝負になってきます。

ところで麻雀というとやれヤクザや、やれ高レートやで借金したり人が死んだりと世間一般の感覚でいう黒いイメージがつきものです。このイメージはよろしくない。皆さんも麻雀に悪い印象を抱いていませんか?

さらに個人的にですが、売れている有名どころの麻雀漫画、例えば『アカギ』や『カイジ』、『凍牌』なんかはお金や命がかかっている極限状態だからこそ、あるいはその状況における選択だからこその面白さが多くを占めていると思います。

別にこれらの漫画を否定しているわけではなく、どちらかと言えば僕はそのような要素が好きなので、それはそれで良いのです(まあ『アカギ』の作者福本先生は頭脳戦単体でも十分面白いものを描けますが。『零』が1番好きです。逆に『凍牌』とかはもう完全に麻雀じゃなくても成り立ちますから。嫌いじゃないですけど。)。

しかしこの漫画の舞台はプロ。主要キャラクターはほとんどが女性で、高額のお金を賭けたり命を削るようなシーンは全くありません。

またこれは作者の立場からすると、麻雀の勝負そのものでしか面白さを出せないということを表しています。

それに応えるかのごとく「プロってここまで考えて打つんか」と思わせる繊細な思考。

例を挙げるのが面倒くさい難しいのでここでは諦めますが、1シーン1シーンが何切る問題みたいで楽しいです。

なんも書かないのもアレなので作中の場面から1問出してみます(笑)。

東3局 親番 9巡目 点差ほぼなし
一一二三三四33467⑦⑧ ツモ:5 ドラ:三

答え(解説)は1番下!!

まとめ

というわけで、打姫オバカミーコでした。読み返すと感想というより紹介みたいになってます。まあ特別語るほどの壮大なストーリーは無いので……。

 ともかく、
  • 基本は覚えたので考えて打ちたい人
  • 「麻雀に強い弱いなんかないやろ」って人
  • 今の実力から一歩抜け出したい人
  • ヤクザ云々の麻雀漫画に飽きた人
  • 割としっかりした麻雀の勝負を漫画で読みたい人
等におすすめです。絵は下手ですが(笑)ぜひ読んでみてください。
 
打姫オバカミーコ全15巻 完結セット (近代麻雀コミックス)

打姫オバカミーコ全15巻 完結セット (近代麻雀コミックス)

 

~何切るの解説~

打三萬。この手で一番強いのは索子の3面張、次いで筒子の両面待ちの部分。表示牌かつ自分が1枚持ちの二萬-五萬の両面はかなり弱くなります。両面2つのどちらかで5800以上のリーチが打てればそれで充分、一萬-三索が先に入ってもしぶしぶ3900リーチ。ドラを使い切ろうとすると速さが落ちる。

作中では、本作品中最強キャラ、馬杉寧香(うますぎねいか)の「アガリに対する嗅覚とそこそこの打点を追う現実主義な1打」として描かれています。まず自分なら打てませんね。普通に七索かな。けど確かに納得できます。三索をヘッドにするなら萬子の両面がネック、一萬をヘッドにするなら最終的に三萬は出ていくんですよね。

あくまで自分の考えではなく作中の、かつ特定のキャラクターのスタイルにおける1打だということをお忘れなきよう。




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