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まっ★つんの避暇地

本とか映画とかマンガとかの感想を書いたり紹介したりするブログです

【本】 物事を多元的に考えるために… 『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』 苅谷剛彦著

本の紹介


いわゆるクリティカルシンキングについての本。

批判的読書法や理路整然とした文章の書き方等をステップにして、固定観念にとらわれない複眼的な思考力を養成するというもの。

 



文章の圧倒的利点

第一章は創造的読書について。ここはまあ内容としては簡単なものでした。改めて項目として挙げられると成る程といった感じですが、無意識に実践していることも多くあり。それよりも読書の異議についての記述が興味深かったです。

活字メディアと映像・音響メディアとの違いはなにか。それは「教養を得ることができるもの」と「知識を得るためのもの」の違いだそう。以下引用。

それでも本でなければ得られないものは何か。それは、知識の獲得の過程を通じて、じっくりと考える機会を得ることにある――つまり、考える力を養うための情報や知識との格闘の時間を与えてくれるということだと私は思います。


「時間」という要素の差。考えると、映像や音声を巻き戻して見るあるいは聞くことと、戻って読み返すこととの間に、確かにそれは大きな差があります。面白いです。


 第二章は作文方法について。思考という行為は考えたことを人にわかるように表現できて初めて意味をもちます。そんなわかってはいても中々難しい「書く」ことについて書かれています。この章は特に目新しいこともなく、ただただ書くことについて基礎から学ぶだけです。普通に勉強になります。

自問自答が頭を強くする

 第三章は思考のための問いの立て方について。結局のところ思考とは自分自身との対話、議論、つまりは自問自答です。そんな自分との巧い対話の仕方について述べられています。ある事象について思考することはその事象について問いを立てるわけですが、どのような問いを立てればいいのか。その事象の理由なのか、結果なのか。あるいはその事象はどのように一般化されるのか。

経験ありませんか?考え事をしていたら気付かぬうちにかなり時間がたっていたこと。そのようなときは大体がとりとめもないことの成り立ちや分類、エトセトラ…について考えていたりします。私の場合はですが。


 第四章は複眼思考の方法について、とのことですが……。まあ要は全てを応用して総合的な力を付けろと言う話ですね。少し冗長な気もしますが……。この章の最後でメタ的思考について記述されていますが、複眼思考とはつまりメタ認知のことですね。

複眼思考、メタ認知、抽象化…。これらが思慮深くなるために必要だということは言うまでもありませんが、重要なのはこれら能力を向上させるまたは活用することを意識して物事を考えること。

そしてそれはもっと端的に言うならば一元論にとらわれない、多元的な考え方を試みるということだと思います。

 

言語化の難しさ

 同じような内容の本は世の中にごまんとあり、自分もいくつか読みましたがそのなかでも本書は格段に整理されており、読みやすかったです。それこそ作者の、上に挙げた能力の高さがうかがい知れます。

こんなことは当然だ、わざわざ仰々しく言う内容ではないと言ってしまうのは簡単です。しかし作者に言わせれば「こうやって活字として表現できて初めて理解したと言えるんだ」といったところでしょう。あえて文句をつけるならば、繰り返しの内容も多く全体的に冗長な気はしないでもないです。ただ前述したとおり曖昧に理解してある物事を整然にさせること(これもつまりは一般化)だけでも本書に価値はあるかと思われます。

中学生や高校生のうちに読んでおきたかったです。

社会に出る前に一度は読んでおきたい本。

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

 

 

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