読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

まっ★つんの避暇地

本とか映画とかマンガとかの感想を書いたり紹介したりするブログです

【漫画】 魔人探偵脳噛ネウロ

漫画の紹介

どうもです。早速始めます。

今日は漫画、松井優征作、『魔人探偵脳噛ネウロ』です。

 



魔人探偵脳噛ネウロ (1) (ジャンプ・コミックス)

 

暗殺教室の作者です。人気と売上が物凄いですね。映画見てないですけどどうだったんですかね。

あらすじ

 「謎」を食糧とする魔人、脳噛(のうがみ)ネウロは魔界の謎を食い尽くし、「究極の謎」を求めて人間界へ降り立つ。ある事件をきっかけに知り合った女子高生桂木弥子を、隠れ蓑にするため探偵に仕立て上げ(内情は奴隷)、自分は助手となり2人で謎(=人間が起こす事件)を探すことになる。
 ネウロは魔人の力でかなり強引に事件を解き自らの空腹を満たす一方、弥子は慣れない生活にはじめは戸惑う。しかし凶悪な事件に相対するネウロの姿や癖のある犯罪者たちとの出会いを経て、精神的に成長してゆく。


 あらすじ書くの難しい…。某フリー百科事典を少し参考にしました。
 本作は序盤は数話完結の探偵もの、中盤以降はバトルメイン、みたいなジャンプ漫画によくある構成となっています。このありがちパターンは有名なジャンプのアンケートシステムによって生み出されるとよく言われますが(真偽の程はわかりかねますが)、本作の場合はあとがきを読むと最初から計画していたようにも思えます。どうなんでしょうか。

探偵ものとはいっても作者曰く「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」とのことで、推理要素は皆無です。ネウロがチート級の能力で無理やり事件を解いていきます。


無敵キャラの弱体化と一般人キャラの進化

 本作の何よりの特徴といえば、主人公が物語が進む程弱体化するところでしょうね。序盤はそれこそ前述の通りの無敵具合ですが、後半、強力な敵キャラとの戦いを経るにつれてボロボロになっていきます。ただ作中で完全な人外キャラはネウロだけなので、弱体化させることで敵(=人間)とのパワーバランスを取っているといったところでしょう。

なぜ弱体化することが面白い要素なのかといいますと。読者はワガママで、強キャラの無敵っぷりも見たければ苦戦してハラハラする展開も見たいし、弱いキャラクターが努力して強くなっていく姿や協力プレイも見たいわけです(というよりいわゆる王道の展開ってやつです)。

これらを破綻なく描くために行きついた結果が、バディもの、一方は最強だが弱くなっていき一方は最弱が強くなっていく、なのだと推理します。

また弥子の成長ももちろんネウロのように物理的に強くなるわけではありません。犯罪者たちとの出会いを通して人の心理や行動を理解していくという違ったベクトルでの進化が描かれるわけです。

さらにだからこそお互いが補い合うという意味での協力が映えるのです。


数話完結だからこその犯人キャラのインパク


 もうひとつ魅力を挙げるとすれば、作者特有のキャラクターのサイコっぷり。暗殺教室で言うと「銃うめぇ……」の人みたいな。ネウロの登場キャラはほとんどがあれくらいキチってると言ってもいいくらいです。例を挙げると、ネット上でも有名なドーピングコンソメスープの人。

しろた


こいつは料理に違法な薬物を混ぜることで中毒性を持たせて店に行列を作ります。追い詰められたら最終的にそれらを自分に使用して戸愚呂化する、とかいうヤバい人。

レシピ

 これはつまり推理に重点が置かれていないことの表明でもあるわけです。現実的にはあり得ない、人間の狂気的な犯罪者とそれを軽々超える魔人ネウロとのやりとりを楽しむエンターテイメントであると。

前半の文章だけ読むと割とシリアス押しな物語とも取れますが違います。滅茶苦茶ぶっ飛んでます。主人公のネウロも例外ではなく、日常回とかつなぎ回は大体ネウロが弥子を調教・拷問(性的な意味ではなくギャグ的な意味で)しています。


計画された構成と完成度の高さ

 まとめます。あとがきを読むとわかりますが、このストーリー展開は最初から計画されていたようで、全編通して構成がしっかりしています。行き当たりばったり感がなく、序中盤に張られた伏線もきっちり機能していて驚く限りです。

アニメの出来が良くなかったのと暗殺教室の爆発的な人気で忘れられがちな本作ですが、完成度は十分。

終盤の胸がアツくなる展開の連続もあればブラックユーモアとしてサイコな表現や描写も効いていて王道を少し外した読み応えのあるものに仕上がっています。

勢いだけではない、練られた面白さを求めるあなたにぜひ。

~~以下ネタバレあり~~


 書くにあたってさらっと読み返しましたが、やっぱり葛西さんが一番好きなキャラクターです。結局血族の中でひとりだけ真人間ってとこには燃えますね(真人間の割にはチート過ぎんかとかいう突っ込みは置いといて)。

んで結局シックスより長生きしてるから、葛西さん独り勝ちみたいなもんですよね。ネウロがおらん世界で無双する葛西さん。

 あとはイミナも良キャラ。時計の針が動き出す云々とか松井先生の秀逸な言葉遊びは数知れずですが、「あなたのそばのアイでいい」は滅茶苦茶切なくて好きです。死に際もサラッと死んだり、最後までキャラクターが立ってた気がします。ひっそり死ぬのがキャラクター性示すってのも皮肉ですけど。渋いですね。

 HAL編のラストといいイミナのエピソードといい、意外とネウロ泣けますね。やっぱ隠れた名作。間違いなく暗殺教室より面白い。


広告を非表示にする